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彼のスース―という息づかい。
眠ってしまったようだ。
わたしを腕に抱いたまま。
ふと思う。
どうしよう、宇宙一の幸せを
今使い果たしているんだとしたら。
耳を澄ませば聞こえる鼓動。
この音を聞いているのは今、世界にわたし一人だけ。
すみ君を思うと恋しい。
時に切ない。
朝が来ると彼は帰ってしまって
また、見えない距離との戦いの毎日が始まる。
なんでだろう。
両想いなのに。
彼の思いをこんなに感じているのに。
なんだか訳の分からない種類の涙を流して
わたしはその音を聞きながら
眠りに落ちた。
―END―
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