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パキン――ゴッ―ゴリッ―メキッ―――バキンッ――
女の唸る叫びをBGMに俺は夢中で螺を回す、顔へ飛んできた何かは口の端辺りにへばりついた。
舌を伸ばして舐め取ると俺の口腔、鼻腔を、更に濃い鉄に似た香りに似た人間の匂いに満たされる。
幼い頃には家族の誰かが行う拷問の音をBGMにゆりかごに揺られていたらしい。
初めて拷問の手伝いをしたのは5つの時だった、よく覚えている。
その時には既に血に流れる『病理』が目覚めていたんだろう。
俺は今のように異端審問に処される女の踵をダイスで挟み、キリキリと螺を回していた。何か熱に浮かされたように、キリキリと。
その頃に感じた衝動、それは今になってみてはっきりと分かる。
ぐちゅん、と既に潰れるモノすら失せた踵があった場所で相棒が御馳走様を告げる。
俺は下腹部辺りに。生暖かい、自身から放たれたそれを感じながら身体を震わせる。
拷問に伴う性衝動。
ワニのペンチ――性器を責める為の器具で締めながら自慰を行う事も儘ある、それ様なので流石に刃は潰してあるが。
彼女は俺の愛人の様なものだろう。
ふと嗚咽が耳に届き、俺は一気に現実へ引き戻される。閉める事が出来ない口から漏れ出しただろう唾液や、その他の体液で彼女の身体はてらてらと濡れていた。
「お前は魔女か?」
問い掛けながら俺は、果てたばかりの自身が再び鎌首をもたげる気配を感じていた。
名前も知らない女よ、どうか首を横に振ってくれ。俺はまだまだ満たされていない。
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