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彼女にかっこつけたくて飲めるようになった赤ワインのグラスを傾けて笑う。
「美味しいです」
「そりゃ良かった」
つられて笑ってしまった。可愛いなこんちくしょう。
自分はスパークリングワインをジョッキで飲みながらけたけたと笑う。酒が入るとよく笑うしよく泣くようになる。目の前の後輩もいつも以上にニコニコしていた。酒に弱いもんだからすぐに赤くなってはいたけど。
ここしばらく大学を空けていたので、久々に会った後輩と近況報告兼愚痴会だった。こいつは自分のあとをついで学科の雑用係みたいなことをしてくれている。何か困ったことはないか、引き継ぎの続きのようなところもあった。
色々あったんだなぁと楽しく聞いて話してしているうちにあれよあれよと時間は過ぎ、12時を回った。後輩に財布を出させるなんてカッコ悪いことはできないので、お会計はしっかり自分が出す。最近は後輩のほうも心得てきたようで、素直にごちそうさまですと言うようになった。
ぶらぶらと歩く帰り道、後輩の家の方が近いしトイレ行きたいしで寄らせてもらった。
「お茶飲みますか?」
「ん、くれ」
水分の抜けた体に染み渡る。うまい。
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