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雑誌を読んでいたら、面白い記事を見つけた。
身近なイタリア語講座。
「ねぇねぇ、インフルエンザってイタリア語なんだって」
隣にいた恋人に教えると、興味なさ気な返事が返ってきた。
「こういうの、興味ないの?」
「興味ないっていうか、知ってた。ティラミスもイタリア語だぞ」
「え? そうなの? なんで知ってるの?」
「調べた」
愛読書である漫画雑誌を示し、彼は言う。
「英語とかイタリア語とか、多用してる漫画があるんだよ。で、面白かったからイタリア語辞典ダウンロードしていろいろ遊んだ」
気になったら調べないと気が済まない性格なのだと、彼の意外な一面を知る。
彼は何か思いついたのか、メモ用紙に何やら書き付けた。
『Ottenga prego sposato con me.』
「何て書いてあるの?」
「興味があるなら自分で調べな」
メモ用紙をそのまま渡されても、私は首を捻るしかない。
「意味が解ったら、『答え』聞かせてくれ」
ニヤニヤと笑う彼に、何かあるなと思う。
私はメモを手に、絶対意味を調べてやるんだと意気込んだ。
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