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教室では学祭の準備が始まっていた。
部屋をダンボールで仕切って個室を作るんだって。
1人半畳ほどのスペースで、M字開脚して、覗き穴から見てもらうんだって。
誰だこんなこと考えた奴は。
「ねーねー、3組って、お化け屋敷やるじゃん。本物出たらしいぜ」
冬加が踊りながら言う。
「ああ、武士が居たって?」
「そう。それで、その次4組だったから、今日はウチ、5組に出るんじゃないかって。」
武士がなんでM字するんだよ。
むしろやっちゃいかんだろ、武士の誇り的に。
「うわあ。」
心から、げんなりした。
腐っくん、壁から尻生えてます。
「やっぱりもうちょっとウレタン足すよ。」
微調整しているらしい。
冬加が、尻をペチペチ叩く。
「なんか腐っくんだけ、装置と一体化してて小林〇子みたいだね」
「えー、じゃあ途中で何か出しちゃう?」
お前らサチコに謝れ。
◆
「じゃ、3分の一ずつ交代で入るから、まずAね」
12のブースにぞろぞろと野郎どもが入る。
谷くんは鎖骨なので、椅子に座った状態で後ろ手に縛られてる。
「ちょ、なんで谷、縛られてんの」
「腐っくんが、その方が『ウホッ!イイ鎖骨』って。」
「かわいそうだろ」
「だって、腐女子にお触りとポーズデッサン券を売り捌いてるんだぜ?」
冬加に見せられた売上げを見る。
「1枚千円!?」
「そう。だから、サービスしなきゃ。今ならお好みの男子を壁ドン........」
「待て。お好みの男子に、じゃないのか?」
「違うよ。腐女子企画だもん。」
「お、おいアレ見ろ」
一人が叫んだ。
端っこのブースの扉が少しだけ開き、そこから足が出ている。
それも、草履。
「あれ、ゆゆゆ、幽霊!?」
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