屋上にて

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私に、友なんぞ、味方はいらない あったとしても何もない だから、関わりたくない 関わってああなったら、嫌だ また、あの思いはしたくない 私の居場所はここではない もうすぐ、行かないと 間に合わない 時間がもうすぐ来てる 私が居るのは、もう少し さて、出かけますか 地獄の旅へと 自分をさらけだして 髪の毛を梳かす そして、眼鏡を取る 出来た これで、紫苑の出来上がりだ 紫苑は、私の裏の名前 裏の人間で、この名前を知らぬ者はいない 全てをやる ただ、1人の少女の為だけに この、理由を知っているものは、誰一人として居ない さぁ、行きましょうか この、神崎財閥をより大きくする為に 今日は、生憎仕事がある 神崎 絵里香ではなく、                    紫苑 として______________________________________ 「もし、願いが一つ叶うなら、キーンコーンカーンコーン」 チャイムで、聞こえなかったかな? 聞こえていたのは、たった一人 自分自身以外に、もう一人 絵里香が立ち去った後に、頬に、涙が伝った人がいることを知らない その人が、泣いたのは、7年振りだということでさえ 何も知らない
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