第4章~幽愁暗根~

2/4
18人が本棚に入れています
本棚に追加
/152ページ
玉砕も出来ず、何も現実を変えられず、福岡へ戻った俺は2ヶ月ほど無気力状態で何も出来ずにいた。 沖縄へ行く前に始めたばかりの仕事『章人』が俺の可能性に賭けてくれて、新しく作った会社があったが、その会社は俺の想定外の事態が発生した(恵秀との事で1ヶ月ほど会社を空けた)せいで会社維持させる事が困難になり、 3人いた社員は本社に移動(吸収)されていた。 それは、『章人』が決断した事だった。 3人の社員は当たり前だが、生活があるから仕方なかったのだろうし、何よりも俺が戻ってこれるかも分からない状態であてにならない人間であるのだから、社長章人として至極当然の決断だ。 とはいえその会社は、俺からすればやっとの思いで辿り着いた、『恵秀』以外で必死になれる場所になるはずだった。 無茶苦茶やるだけやって自分勝手ではあるが、正直『章人』には俺が戻る場所として維持していてほしかった気持ちもあった。 負担にはなっただろうけど『章人』がやろうと思えば出来たはずだから。 俺はこうなる事も覚悟で、『恵秀』の場所へ行ったのだから受け入れるしかないのだ。
/152ページ

最初のコメントを投稿しよう!