第1章~改過自新~

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そして一週間が経った。 『千恵』の返事は会うのは1日限りならとの事だった。 俺は以前から夏休みには『恵秀』をUSJに連れて行く約束をしていたこともあり、どうにか泊まりで行かせてほしいと頼んだが、それは無理だと言われた。 俺は『千恵』の考えに納得がいかず、なぜダメなのかと理由を求めたのだが、『何かあったらいけない』からと理解不能な返答だった。 その何かとはなんなのか? 俺が『恵秀』に何か悪い影響を与えるという意味なのか? 俺にとってこの『千恵』の返答は、『恵秀』の為にどうすることが正解なのかと迷う事になる。 (『恵秀』にとっては、次の面会日が俺と一緒に楽しく過ごせる時間の最後になるかもしれない。 そんな大切な時間を、しっかりと楽しませてあげたい。) そんな想いを成就するためには、強行的に無理矢理にでも『恵秀』をUSJへ連れて行くしかないのかとも考えていた。 だがそうすればおそらく『千恵』は、警察に被害届を出し、俺を二度と『恵秀』と会わせなくするであろう。 そんなリスクを含んだ賭けなろうとも、俺は『恵秀』とのその時間に価値があるのではないかと思えて仕方なかった。
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