松綿北入

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「助けます。はい。助けます」 「おまえは」 「北進です。はい。北進とお呼びください」 北進は光の粒を集めると、切り取られた腕の接合部に押し当てる。 「あとは安静に、安静にです」 「あ、ありがとう」 「あんたもやるの? 試合っていうか、勝負っていうか」 「ここは今、綿西さんの世界ですよ。あなたが助けたいと思ったから、北進は来ました。北進は」 「そうなっちゃうのか」 綿西は包丁をしまう。 自分の優しさに気づいてなかった。 白だから。 知らないことは知らない。 「また来る。私は勝負が好きなんだ」
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