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<北進・赤>
「ふう、北進ですよ、北進」
「知ってるよ」あ。世界の話か。
「そうです。ここは北進の世界。あなたの心の声だって聞こえます」
緑が映え渡り、建物が老朽化する。
太陽が昇り、大地に熱気が走る。
動物が行き交い、そこは密林となった。
「自然が好きなんだね、北進」
「ええ、好きです。大好きだ」
「いきな。あんたの世界だって、長くはないんだろう」
「私は赤ですよ、赤」
松江とそっと触れる唇。
「あなたと愛を刻みたいのです」
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