松綿北入

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「私はいける」 松江は世界を信じていた。 白を信じていた。 黒にはならないことも。 松江は黒、綿西は白。 「どうするの?」 「見えてるのに、何を考えてる?」 「見えない。私は黒。見えてても見えないふり」 松江は狡猾だった。 勝負はすべて避けてきた。 記憶の中で続くのは、引き分けの未来。 「勝負ってね、綿西」 「なによ」 「勝ち負けじゃないの」
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