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昨日までそうしていたみたいに和室に入り、普通に私の前に座った。
ひた、と表情を硬くする。
「村橋武さん」
「はい」
「改めまして。俺、浦上将志と付き合って下さい!!」
がばっ、と頭をさげた。
「……はい?」
なにがなんだか……わからない。
「ちょ、疑問形やめて」
「怒ってた……でしょ?」
「いつの話?」
噛み合わない。
「私が浮気したとか何とか……言って」
「あ、それ広希さんに理由聞いたから解明」
「はえ?」
ふふ……、と意味深に笑っている。
なぜ、その名前が出てくるのか。
「俺と暮らせる静かな家、欲しかったんだろ?」
「い、言ってないぞ、そんなこと誰にも!!」
「ナギ」
あ……
「……って、何で!?」
「俺、実は掃除に行った日からあの田舎屋敷が気になってて。武さんが、なんか生き生きして、嬉しそうで、たまんなかったから。大学決まってから広希さんと交渉してた」
「……え」
「そしたらナギが、どうしても俺には貸せないって言うんだ。武さんに売るからって」
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