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「だって……別れるって! メールも電話も通じなくな……っ」
声が詰まった、苦しすぎて。
「武さん絶ちしてた。なんか俺……あなたといると恋愛ボケするって言うか、メール待ったり絶対するから、受験にだけ集中するために」
「それなら、そう言ってくれれば!」
「武さんも言わなかったじゃん。俺じゃない男をアパートの部屋にあげて言い訳もなし。やり返した」
「な……」
「あの田舎屋敷、通学にちょうどいいんだ。いつか引っ越していい?」
「リフォーム……しないと、普通に毎日は暮らせないと思う」
「悔しいけど、親父に借金する。だから、あの田舎屋敷を貸して下さい!!」
また、同じような勢いで頭をさげた。
「……待って、まだ頭が……ついて来ない」
「で、ゆくゆくは田舎屋敷で宿泊もできる店をしたいんだけど、リフォームするなら注文つけていい?」
「将志……」
「ん?」
「いいの……かな、私で」
「もはやあなたでないと無理です」
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