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じゃあせっかくだし一緒に出ようか、とホスト初男と客になって店につくと、本日貸切りの看板が出ていた。
「……はれ?」
「貸切りかあ……、仕方ない帰るよ」
「聞いてなかったけどな……ごめん、武さん。俺は仕事あるから」
「うん、ダイヤモンド店長によろしく。行ってらっしゃい」
「……ん。行ってきます」
間が悪いなあ、と思いながら将志にひらりと手を振って、歩きだす。
携帯が震えた。将志からだった。
「……は」
『逃げて! ……うわあ!!』
プツンと切れた。
「……い、武ですけど」
何だ、と思いながら足をとめた。
「うわあ?」
将志の身に何事かが起きているようだ。
とりあえず、冷静に、とダイヤモンド店長の携帯を鳴らす。
『はい、あなたの金剛です』
普通だ。……普通でもないけど。
「村橋です。将志……じゃない、初男はいます?」
『はい、出勤してますよ』
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