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だんだん、カラクリが読めてきた。
たぶん、女装かドレスでも着せられた将志が来て、結婚式の真似事でもさせられるんだろう。
しばらくして、現れたのは店長だった。
黒のタキシードを纏っている。
黒というのが実はいちばん派手な色だ、と思わせるほど華やかだ。
「本日はおめでとうございます。ご注文は」
「桜茶」
くす、と笑ってくれる。
「かしこまりました」
「私、服装このままでいい?」
え? と、予想外の反応をされた。
結婚式じゃないのか。
拍手が起こり、ライトに照らされた場所に、将志がいた。
「……あらまあ」
坊っちゃん刈りのカツラに、詰襟の学生服、ガラスの厚いメガネをかけている。
校長先生に扮しているのは戸口部長だ。
仕事柄、スピーチに慣れているのか、それらしい言葉を贈ってくれる。
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