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では、担任の村橋先生からお言葉を、とマイクが向けられる。
担任じゃないけどな……、と思いながら受け取って立ち上がる。
「卒業おめでとう。思い返せば三年前、君は期待と不安で胸をいっぱいにして門をくぐったことだろう。そして今、旅立ちの日を迎え……」
「いいよ、こんなのに付き合わなくても。どうせクビなんだ、俺」
言うなりカツラを取り、メガネを外し、学ランを脱ぎ捨てた。
「……店長、どういうことです?」
「これ以上、初男にホストをさせると夜の世界が染み付くから……惜しいけど手放します」
「そうですか……」
将志を昼間の世界に返してくれるらしい。みんな人が良いな、とホストたちを見渡す。
一日ぶんの売り上げより、将志の卒業を祝ってくれるなんて。
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