さよならの約束を

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 何かサービスしないと、申し訳ない気分にさせられた。  私にできることは……何だろう。 「先生」 「……はい?」  腕を掴まれた。 「店長、戸口部長、みんな、今までお世話になりました。これからもよろしくお願いしますけど、この人は俺がもらいます!!」  ふざけるな! というホストたちの叫び声があがる。 「はい!?」 「だから言わなかったの! 先生、ここじゃモテモテだから!!」  いや、男にモテモテだったところで全く嬉しくない。 「店長、俺をクビにしたら、この人はもうここには来させませんから」 「恋人の友達関係にまで口出すのは嫌われる原因だよ」  クッ、と悔しげに顔をゆがめる。  店長が無礼講だ、と声をあげると、ホストたちが群がり、何だかんだと私を構いだす。 「これは貸し切らないと女性客に怒られるね」  ふざけて、しなだれかかってきた可愛い系のホストを抱きよせる。
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