第一章 「それは突然な日」

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 俺が独りでダイニングでブランチを摂っていたら、テーブルに置いてあったスマホが鳴り出した。  画面を確認すると七花から電話だ。俺は口の中のものを慌てて紅茶で流し込んだ。  熱っ!!!  紅茶は一気に飲めるほどまだ冷めてはいなかった。舌、火傷したかも。しかし熱がっている暇はない、すぐに電話に出ないと。 「もひもひ、なのは、ほうひた?」  舌がもつれて上手く喋れなかった。 「ケイスケくん、大丈夫? 何か、喋り方が、変よ。それとも、電話の調子が、悪いのかしら――」 「もう大丈夫だ。スマン、ちょっと慌ててたんでな」
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