第九章 「それはどーでもいいことだがな日」

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「それにね、エミリーがあまりに髪の毛や瞳の色のことを周りから言われるからいつもマムに文句を言っていたのよ、『どうしてエミリーのかみはみんなとちがうの? どうしてエミリーのめはみんなとちがうの? エミリーもみんなとおなじがよかった』ってね。でもケイスケは『ぼく、エミのかみ、すきだよ。めも。かっこいいもん、キラキラひかってるもん』って言ってくれたの。その時エミリーは思ったのよ、エミリーはこの人と結婚するんだ。エミリーを幸せにしてくれるのはこの人しかいない、ってね」  それで俺にあの誓約書を書かせたんだな。しかし、俺そんなこと言ったかな? 小さい頃のことだし全然覚えてないや。 「ふぅ~ん、京介君ってその頃から優しかったんだね。さすが、あたしの惚れた男だけあるよ」  そう言いながら優衣ちゃんは俺の方を向いてニッコリと微笑んだ。あぁ~、優衣ちゃんの笑顔、いつ見てもいいなぁ~。
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