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栗原は自分の手で靖章君の面倒を見たいようだ。
ソファで眠っていた靖章君が急に泣き出した。
「俺の大声で目を覚ましたようだ…」
栗原は泣いている靖章君を抱っこして必死に背中を摩り、宥める。
「ゴメンな。靖章…叔父ちゃんが悪かった。びっくりしたんだろ?」
叔父ちゃんと言うよりも我が子のように見えてしまう。
「失礼します…社長…子供の泣き声が聞こえたのですが・・・」
秘書室に居た小畑さんがノックして入って来た。
「えっ!?栗原さん…その子は??」
「知り合いの子なんだ…小畑さん。今日だけ見逃してくれないか?」
俺が小畑さんに頼み込んだ。
「社長命令なら、聞えなかったコトにします。失礼しました」
「お前に休まれたら、凄く痛手だが、仕方がない。でも、ヤッキーが東京に戻っても…奥さんが二人目の悪阻で苦しいなら、世話は誰がするんだ?」
「そうですね…」
「速水社長には相談してないのか?」
「相談してないようです」
「いつまでも、隠し通せるコトでもないだろ?」
「…でも、今は復帰したばかり…二人目が出来たと発表する時期ではないと思います」
「何でそんな時期に子供なんて…」
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