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「会長の御門さまっ!今日もカッコイイですぅぅぅ!!!」
「書記の栗巻さま!今日の夜は僕を抱いてください!」
「ああ、会計の永草様の眠たそうなお顔が愛おしいっ!」
「うぉぉぉぉ!庶務のレン様シン様、今日もマックスキュートだぁぁぁっ!」
さて、ここ聖英学園の朝はこの黄色…くない、野太い歓声で幕を開ける。
紺のブレザーを着た男の群衆が同じ方向を一心に見つめ、モーゼの如く道をザッと開けた。
そんな熱気溢れる花道を、五人の生徒がそれぞれの色を纏い進んでゆく。
「今日も俺への声が一番多いな!」
先頭を歩くのは赤茶の髪をワイルドに靡かせた男。重ね付られたアクセサリーは量の割にシンプルなデザインで、それがまたイケメンだぜとでも言いたげなナルシスを発揮している。
そんな男の斜め後ろをステップを踏むように歩くのは、自前のブロンドをふわふわとゆるくカールさせた英国系の美青年。
「俺達ってば人気者だねぇ」
「…眠い」
そんな二人の後ろを、響く奇声に見向きもせず閉じそうな瞼でうつらうつらと歩く黒髪短髪の背の高い青年。
「「ふふっ!まっくすきゅーとだってぇー!ヘンな言葉っ!」」
その男を挟み、言葉も仕草もハモらせながらクスクスと笑うのは、これまた見た目までもをハモらせた二人の男の子。
さて、世間から隔離されたこの学園には絶対的な支配者かつアイドルが存在している。
それが彼ら。
そしてその存在とは………
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