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「冗談だよ」
うれしいくせに
余裕ぶって笑った。
「奈々緒のお願いなんて珍しいもの
袖にするわけないだろう」
迎えに行くよ。
そう告げて、
俺はエンジン全開で
マセラティを発進させた。
愛しい猫を
迎えに行く為に。
お気に入りの猫に
求められる喜び。
そして妙な優越感。
それは煙草よりよほど
クセになる厄介なものだった。
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