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ぼーっと考えながら彼の家に着き、貰った合鍵でドアを開ける。途端に聞こえる喘ぎ声。
いつからか、彼は浮気を隠すことをしなくなった。
…………流石にむかつくよな。それくらいは礼儀だろって。別れたいならそう言えばいいのに。
ため息をついて家に入るうちに、違和感に気付いた。
あれ。この声、いやもしかして、
嫌な予感がして小走りに寝室に行きバッとドアを開けた。デリカシーなんてくそくらえ。
「!?やっ、けーくん、この人だあれ?」
「……あー…もうそんな時間か。電話出ないしまだかと思ったぜ。ほら、もうお前帰れ」
「えー!ひどーい!!」
その場で繰り広げられてたことは想像通りだったが、相手が彼に甘えたようにすりよるのに対し、彼は起き上がり俺を見た。
「…………俺は、いままでお前の言動に文句をつけたことがない。男同士の恋愛なんてそんなもんだと思っていた。だけどな」
「……?おい、どうした」
「だけど、相手が男じゃねえか!!!ふざけんなよハゲ殺すぞ!!ただの浮気じゃねえかおい!!もしかしてお前ただの浮気癖ある男だったの!?最悪じゃん!!クズじゃん!!ようクズ!!!」
「は!?お、おい落ち着け」
「落ち着いてる!!全世界でいちばん落ち着いてる!もう悟った域に達してる!!」
叫んだあと合鍵をとりだし渾身の力で彼に投げつけた。
「別れる!!」
「…………は!?なんで!!」
「浮気とか最悪じゃん!女の子相手ならまだ理由が思い浮かぶけど男とか最悪じゃん!!クズ!!」
「クズいうな!まて、話せばわかる」
「浮気するような下半身で動く人間と話すことはない!てかあれだよね、よく考えれば女の子との浮気もだめだよね、あー俺なんでいいなんて思ったんだろ!!恋は盲目!」
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