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私はリョウタのお金を抱きしめて、
声を上げて泣いた。
誰も救ってくれないと嘆いていた私は、
過去ばかりに縛られ、自分から変わろうとはしなかった。
リョウタがずっと私の事を思っていてくれたわけではないだろうけど、
再会した時に、昔の気持ちを思い出してくれたことを嬉しい思う。
でも、もうリョウタに会うことはできない。
思えば思うほど、会いたい。
その気持ちが募る。
『お金に振り回されて、辛い思いをしただろうけど、お金のあるなしで人を判断しないで。裕福が幸せか、貧乏が不幸せか、それともその逆か…これから先、答えを見つけて。』
お金がある人は冷たい。
そんな話を眠る前にしたことあったっけ。
私の気持ちを溶かしてくれたのは、リョウタとの数日間。
何もしないで世の中を捨てていた私に
小さな灯りを点してくれた。
動きだそう。。。
自分らしく。
昔、声をかけようとしてくれていた頃のアタシには、戻れないけど、
前を向いて答えを探すために歩いていくから。
アタシは部屋をそのままに、
新しい一歩を踏み出す事に決めた。
******
どうか…
すべての人が、お金の有る無しで評価させること無く、
平等にチャンスが与えられますように…
誰にでも…優しい時間で有りますように…
どうか…どうか…どうか…
幸せになりますように…
大好きな…人が、いつも…笑っていますように…
幸せで有りますように…
そう綴られた
リョウタの手紙だけを持って…。
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