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試験内容に真剣に耳を傾けていた黄瀬や桃山はわずかに口許を綻ばせた。
(その程度なら楽勝っすね)
(合格確定ー)
などと言う考えが透けて見える!!
だが、こいつら優等生と違ってこっちは落ちこぼれ。どんな相手も油断できないのだ。
そう自分に言い聞かせながら、緋紫は気を引き締めた。
「時間は三〇時間。キロレックスを発見することも考慮に入れた時間だ。それでは武運を祈る!」
教官の声が響くと、飛行機のハッチのような扉が軋むような音を立てて開いていく。
外の世界――。
未知の世界への出発に緊張と興奮が混じり、身体を流れていた。
薄暗いブロックに外の光が入ってくる。
先頭の訓練生達がワッ、と走り出していく。
そして、黄瀬、桃山、緋紫も外へと走り出した。
「じゃ、お先にいきますっす!」
「せいぜい、餌にならないようにねー!」
「はっ! 絶対合格してやるからな!!」
三人は互いに軽口を叩き、外の世界へと飛び出していった。
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