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「今宵は楽しかったですわ。私の敗北ですし、退かせていただきます。緋紫さんの言葉は考えさせていただきます。それでは、ごきげんよう……」
そう言ってスカートの端を摘まみ、優雅に挨拶したメアに、緋紫はポカンとしてしまい、反応が遅れた。
「まっ……」
取り押さえようと駆け出す前にメアの姿は虚空へと消えてしまった。
「また逃げやがった……」
3連続で逃がすなんてな。桃山に何て言われるやら……。
メアがさっきまでいた空間を眺めながら、緋紫は大きくため息をついたのだった。
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