第二章

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『ひの? 日野って、東京の?』 『とうきょう?』 『うん、今だと江戸の事』 『江戸じゃねえ、日野は武蔵国だ』 『えー、江戸ちゃうん? 東京都やねんから江戸でしょ』 『……おめぇ、あんまり学がねえだろ?』  ――うっ、ほんまのこと言われると傷つく…… 『江戸の外れにはちげえねえが、とにかく、ここは武蔵国、多磨郡、日野本郷だ。  ここいらは幕府の御料で、各村には名主が居てだな、名主は帯刀を許され、村の自治と、』 『あーーー! もうええ! あたし、こんなとこに来てまで勉強したないし、ほんまは歴史苦手やし!』  思わず声を荒げた。  って言うか、思い切り話が脱線してるし……  ――もう、土方と話していると、いつもこうだ。    しかし、これは本当にあの夢の続きなのか?  ……それとも、別の夢なのか?
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