第一章

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 あの長い夢から目覚めて約二ヶ月。  時折、いや毎日のように思い出す、あの時代のこと。  夢から覚めても、夢の記憶は消えることなく、未だに何かをやり残した感覚が、あたしの心を覆う…… 「どうした、留香?  この頃ずっとうわの空だな」  夫の隆生も勘付いていた。 「うん、ほら、いつか話した夢の話」 「幕末の夢、か?」 「うん、あれ、続きが見たいなって」 「ふん、土方とエッチでもする気かよ?」 「……!」  隆生の言葉にドキリとした。  隆生はそんなあたしの態度に嫉妬したのか、その夜求められ、あたしたちは久しぶりに体を重ねた。
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