第二章

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 そして、夢を見た。  あの女が居た。 『留香さん…』  一応、年上だ。〈さん〉を付けて呼んでみた。  ――いや、待てよ……あいつは、百五十年先の時代がどうこう、  じゃあ、俺の方が、百四十も年上じゃねえか。  まあ、そんなこた、どうでもいい。  俺の夢の中の留香は、やはり、沖田の格好で泣いていた。 『何が哀しい?』 『総司が山南さんを斬ったこと……』 『あいつは、泣いちゃいねえぜ』 『あの子は、絶対、そういう時には泣かへんの。  総司は自分が斬った相手のために、泣くことはあらへん』  ――それが、あいつの覚悟なのか?  俺は初めて思い知った。  その夜の夢は、それだけだった。
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