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――朝……なのか?
昨日は妙な夢を見た。
あたしは再び幕末に降り立った。
しかも、相手は土方だ……
「ふうぅーー」と細くため息をつく。
目を開ける前に、異変に気付いた。
――布団?
ベッドじゃない。お気に入りのコンパクトパイルのシーツじゃない!
目を開ける勇気は無い。目を閉じたまま布団を撫でてみる。
少し、お日様の匂いの残る布団は……
『あねさんがよ、昨日はいい天気だったから、干していたのさ』
『土方!』
「だからなんで、呼び捨てにするんだよ、てめえはよぅ!」
やっぱり、夢は覚めなかった。
あの時と同じだ……
障子の外から声がした。
「トシさん、起きたの?
誰かいる?」
――姉のおのぶさんだ。
「誰もいねえ、独り言だ。
今起きるからよう」
うるさそうに返事をして、布団の上に座った。
そして、あたしに語り掛ける。
『いいか、これは夢じゃねえ。
今日から、ここで生きるんだ。くれぐれも、俺のじゃまをするな。
あ、それとな、あねさんは〈ノブ〉じゃねえ。誰と勘違いしてるのか知らんが、あれは〈トク〉だ』
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