第三章

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 食事を済ませた土方は、部屋に篭り刀の手入れを始めた。 『あたしが知っている土方のより短い……』 『これは十二代兼定の作だ。二尺三寸ちょい。  短いから、京の街中や討ち入りにはもってこいなんだよ』 『ふーん。  そういえば、前の夢では総司とよく刀の手入れをしてたなあ。  あたし、刃が綺麗になるのが好きやったから……』  打ち粉を打っていると、すっと障子が開いて、少年がひょこりと顔を覗かせた。  ――この子……そういやさっき、一緒に食事をしていたっけ…… 「トシさん」 「おう、源之助か、入れよ」  ――ああ、この子が例の源之助……  十五、六歳くらいかなぁ。利発そうな子だ。 「母上は何て言ってました?」 「ん……駄目だとよ。  彦五郎さんはいいって言ったんだがよ……」 「はあぁ、やっぱり駄目ですか。  俺も、京に行きたかったなぁ」  少年は土方の斜め前に、足を崩して座った。
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