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「ああ、おめえの砲術はぜってえ、役に立つからなあ……
勘定方にも向いてそうだしな。
けどな、あねさんがいかん、ちゅうたら……」
「うん、わかってるよ、
母上の言うことは絶対だもん」
少年はつまらなさそうに、うなだれた。
そして、土方の兼定を見た。
「いいなあ、俺も侍になりてえ」
土方は、しばらく何も言わず考えていた。
そう、土方は武士の世の終わることを知っているのだ。
『でもね、日野の人々も最後まで戦うことになると思うよ。
あんなん、ここは御料所なんやろ?
徳川幕府直属の村ってことやん』
「そうだな……」
「何?」
「ん。いやさ、おめえもきっと侍になれるさ」
「どうしてさ?」
少年はその利発そうな目を好奇心の色に染め、土方の方をまっすぐ見た。
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