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すらりしたと長身で立つと、名主と言うよりは武士の雰囲気がした。
「お、すまねえ」
下男が土方の下駄を縁の下に用意した。
――ほら、一緒に並ぶと彦五郎さんの方が目の位置が高い。
天然理心流の極意皆伝だという。
『この長身から打ち下ろす剣はどんなんやろう?』
あたしの中の総司の血が騒ぐ。
あたしは、この人の剣を見たくなった。
「あにさん、どうだい。
あにさんも一緒に稽古をしねえか?」
土方が、彦五郎を稽古に誘った。
彦五郎の口角が上がった。
「もちろんさ。
誘われなくとも道場には、行くつもりだったぜ」
二人の男は、源之助の待つ道場に向かった。
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