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沖田の中にいた〈留香〉という名の女は、池田屋事件の終結と共に消えた。
〈池田屋〉というキーワードから始まった一連の騒乱。
御所での戦の時も、天王山でも確かに居た。
これら、池田屋での騒動から発生した事件と戦は、明らかに世の中の流れと風向きを、大きく変えてしまった事を、俺は肌で感じていた。
その騒ぎも収まったころ――留香は消えたのだ。
そして、沖田は、
――大人の男になっていた。
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