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見上げる空は、満天の星空。
月明かりは空の黒さを、碧く照らす。
当たり前のこの空を、あの女は美しいと感激していた……
何故かそんな事を思い出した。
その瞬間だった。
「んがっっ!!」
首の辺りへの何とも言えない衝撃と共に、あの女が堕ちて来た!!
そうだ!堕ちてきやがったんだ!
「いてえ! 何しやがるっ!」
俺は空(くう)に向かって吠えた。
『ひ、土方あぁ?』
また、呼び捨てだ。
どこまでこの女は、無礼なんだ!
「留香か?
何処にいる?出て来やがれ!」
俺は立ち上がり、周りを見渡した。
――いるわけねえな……そうだ、あの女は、沖田の中にいたのだからな。じゃあ、どこにいる?
確かに声を聴いた……
いや、存在を感じた。
『ここは、どこや?
京と、ちゃうの?』
――まさか……
俺の頭ん中で、声がする?!
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