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俺は大きく息を吸って、吐いた。
――先ずは落ち着かねば……
「はああぁぁーー、」『なあなあ、ここはどこやねん?』
息を吐いてる間くらい、黙れねえのか?
『また、夢かぁ、星きれえやし』
なんでだ? なぜこの女は、いつも夢だと言うんだ?
『総司の時と違うなぁ……
あたしは、この体を自由に出来へんの?
なんや、変な感じ。
………て、こいつホンマに土方か?』
だんだんと腹が立ってきた……
なんなんだ、こいつは!
勝手に俺の頭ん中で、文句ばかり言いやがる。
沖田もこんな感じだったのか?
『おーーい、トシさん聞いてる?』
「うるせえ!!
何しに戻って来た?」
近くで、どさっと音がした。
「す、すんません!
ひ、ひ、昼間、魚籠(びく)忘れたんでさあ、な、何も怪しいもんと違いますぅ。
ヒイィ~」
漁師が慌てて走り去った。
「くそ、やりにくい」
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