第二章

5/17
前へ
/664ページ
次へ
 俺は大きく息を吸って、吐いた。  ――先ずは落ち着かねば…… 「はああぁぁーー、」『なあなあ、ここはどこやねん?』  息を吐いてる間くらい、黙れねえのか? 『また、夢かぁ、星きれえやし』  なんでだ? なぜこの女は、いつも夢だと言うんだ? 『総司の時と違うなぁ……  あたしは、この体を自由に出来へんの?  なんや、変な感じ。  ………て、こいつホンマに土方か?』  だんだんと腹が立ってきた……  なんなんだ、こいつは!  勝手に俺の頭ん中で、文句ばかり言いやがる。  沖田もこんな感じだったのか? 『おーーい、トシさん聞いてる?』 「うるせえ!!  何しに戻って来た?」  近くで、どさっと音がした。 「す、すんません!  ひ、ひ、昼間、魚籠(びく)忘れたんでさあ、な、何も怪しいもんと違いますぅ。  ヒイィ~」  漁師が慌てて走り去った。 「くそ、やりにくい」
/664ページ

最初のコメントを投稿しよう!

669人が本棚に入れています
本棚に追加