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フランケンは、ドクター・ブラックのさびれた実験室にいた。
身も心もボロボロだった。
フランケンの心。
それは、ドクター・ブラックの創り出したサイコ・プログラムだ。
フランケンは自問自答した。
ナゼクルッテイル?
ナゼクルッテイル?
ドクター・ブラックの呪い。
フランケンは、自由になりたかった。
ドクター・ブラックのデスクの上に、一枚の女性の写真が飾られている。
「クラウディア・・・」
ドクター・ブラックの亡き妻、クラウディアだ。
街の人間に殺された。
「クラウディア・・・クラウディア・・・」
フランケンの後ろに、人の気配がした。
フランケンは振り向いた。
クラウディアが立っている。
「もう止めましょう?ブラック。私の事はいい。行きましょう?ブラック。」
フランケンの機械の眼から、涙がこぼれ落ちる。
「クラウディア・・・クラウディア・・・」
クラウディアは優しくフランケンに近付いて、フランケンの電源を落とした。
「お休み、ブラック。私も眠りにつく。」
クラウディアの姿が薄れていく。
フランケンは、実験室の片隅で、安らかに眠って行った。
ドクター・ブラックの心、サイコ・プログラムは、クラウディアと共に、安らかな世界へと、旅立って行った。
終わり。
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