第1章

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フランケンは、ドクター・ブラックのさびれた実験室にいた。 身も心もボロボロだった。 フランケンの心。 それは、ドクター・ブラックの創り出したサイコ・プログラムだ。 フランケンは自問自答した。 ナゼクルッテイル? ナゼクルッテイル? ドクター・ブラックの呪い。 フランケンは、自由になりたかった。 ドクター・ブラックのデスクの上に、一枚の女性の写真が飾られている。 「クラウディア・・・」 ドクター・ブラックの亡き妻、クラウディアだ。 街の人間に殺された。 「クラウディア・・・クラウディア・・・」 フランケンの後ろに、人の気配がした。 フランケンは振り向いた。 クラウディアが立っている。 「もう止めましょう?ブラック。私の事はいい。行きましょう?ブラック。」 フランケンの機械の眼から、涙がこぼれ落ちる。 「クラウディア・・・クラウディア・・・」 クラウディアは優しくフランケンに近付いて、フランケンの電源を落とした。 「お休み、ブラック。私も眠りにつく。」 クラウディアの姿が薄れていく。 フランケンは、実験室の片隅で、安らかに眠って行った。 ドクター・ブラックの心、サイコ・プログラムは、クラウディアと共に、安らかな世界へと、旅立って行った。 終わり。
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