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◆◆あとがき◆◆
洗練されたスワヒリ語を話していたから気になった。
悪い癖で、つい話しかけてしまった。
アフリカンミュージックのイベントを
手伝った時の事だ。
「それサファイアですか」
彼のタイピン(と言ってもカジュアルなデザイン)を示すと「いえ、タンザナイトです」と教えてくれた。
そして打ち上げで不思議な夏休みの話を聞いた。
再会してからの浴衣デートの話は、きっと彼も素面なら言わないような……普段の毒舌キャラからは想像も付かないほど甘かったので割愛。
私が語学に色々手を出していると言うと、メモを出してきた。そう、サボチカについての父上の考察の暗号だ。
「やまよりいづる きたしぐれ
ゆくえやさだめ なかるらん
和歌?」
「初見で解いた人は初めてです。能の『定家』です。」
頼人の話で気になったことがある。
タンザニアのホテルが占拠された時、私は国境を接するモザンビークにいた。
テロ事件として聞いたが、身寄りのない赤ん坊が居て、ひとまず保護したところ翌日に外国人夫婦が養子の申し出をしたそうだ。
赤ん坊は『彼』の生まれ変わりなのか。
もし利用しようとする動きがあれば、三人が現れて阻止するのか。
私も三人に会いたいが、今のところはまだ。
三人がスペイン内戦の時に利用したホテルは今も残っている。それぞれの最期は頼人も知っているはずだ。
川に、銃に、空に。
肉体を脱ぎ魂を女神に握られた。
悲しむより出会いに感謝をすると頼人は言った。
きっとイビーも。頼人の母も。
『山と山は出逢わないが人と人は出逢う』
ダトーガの諺だ。
人には足と頭がある。
後は、会いたいという心。
それが縁を呼ぶのかもしれない。
私の祖母方の一族は元は大陸の商人だったらしい。満州から日本に来た。
父方の親戚が、私が定職につかない事を先祖返りだと陰口を叩く。
どちらかといえば祖父の方の、蘭学やってた先祖の影響が語学マニアという形で出てると思うのに。
臥龍(ga-ron)と例えられる一族の支配した、遠い先祖の地へ行ってみた。
斉国の名残は無いが、後世の作の月見台
へ登ると感慨深いものがあった
私がその一族であるという証拠はないけれど、確かにうちの親戚は少々変わり者が多い気がする。
帰国したら従妹と花札しながら柚子胡椒で酒を飲もうと思う。
あ、でもハローワーク行かなきゃ。
Ψ(´●_・`)ノ
【共著者: 夏河 】
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