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「蒼は白川のために自分を犠牲にすんのかよ!? お前はそれでいいわけ?
お前、拓也のことも傷つけてんだぞ!?」
「そんなことわかってるよ。
新井の気持ち知っててあんなことして。ひどい事たくさん言って。ホントに最低だと思うよ?
だけど、由真の気持ちわかってて、新井の気持ちに答えるなんてできない!」
「でも、結局拓也は蒼の事が…」
「わかってる!わかってるよ。でも、私どうしたらいいの?私はどうすれば…」
「つらかったんだな。 蒼も結構つらい思いしてたんだな。」
「私…」
「でもな、結局、選ぶのは拓也なんだよ。ずっと、拓也は蒼のことが好きなんだよ。ひどいこと言われてもな。」
「……」
「さっき、話ながらかえってきたろ?」
「うん。」
「あいつ、喜んでたよ。
ひさしぶりにまともに会話できたって。それがほんのちょっとのことでもな。」
「もう、いいんじゃないか?
もう、自分の気持ちを封印しなくてもいいんじゃないか?」
「でも……」
「いいのか?
白川と拓也が付き合っても。」
「…だ。」
「ん?」
「…やだ。」
「それが今の本音だろ?
それをちゃんと言えよ。白川にも、拓也にも。」
「わかった。」
「がんば…」
「でも言うのは野外学習の最終日のハイキングのときにする。」
「は?
なんでだよ?」
「それまでは、いまの関係でいたい。」
「そっか。 まぁ、頑張れよ。」
「裕太もね。」
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