【第18話】足りなかったものは

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  「私じゃなくてもいいでしょ。他あたって」 ガン、と頭を殴られたみたいな、衝撃。 『他』だなんて。 他の女の存在、なんて。 羽村がそんなことを言い出すなんて、初めてのことだった。 吐き捨てるように言った羽村の表情は、何故か、暗い。 少し歪んで見えるのは、画面からの光によるもの、だけ、だろうか? 相変わらず俺の方を見ない羽村に、少しの焦燥感がわきあがってきて……俺は立ち上がり、彼女に歩み寄った。 .
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