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「私じゃなくてもいいでしょ。他あたって」
ガン、と頭を殴られたみたいな、衝撃。
『他』だなんて。
他の女の存在、なんて。
羽村がそんなことを言い出すなんて、初めてのことだった。
吐き捨てるように言った羽村の表情は、何故か、暗い。
少し歪んで見えるのは、画面からの光によるもの、だけ、だろうか?
相変わらず俺の方を見ない羽村に、少しの焦燥感がわきあがってきて……俺は立ち上がり、彼女に歩み寄った。
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