【第18話】足りなかったものは

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  途端に、顔を真っ赤にした羽村が叫ぶ。 「っ、るさいっ! アンタなんかに言われたくないっ!」 反射に近い言い方だった。 鋭く睨みつけられた俺は、その勢いに押され、胸の痛みに目を逸らす。 「……そーかよ」 それが精一杯だった。 Macを落として、鞄を手にして会社を出る。 「お先ー」 精一杯の強がりで、背中を向けた。 羽村が追ってくる気配なんて、もちろんなかった。 .
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