【第18話】足りなかったものは

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  そんな日々の中、羽村と二人で残業する偶然が訪れた。 時間はすでに0時を回っている。 なかなか片付かない仕事を前に、夜中になるのは覚悟していたが、予想外に長引いてしまった。 駄目だ、腹が減って集中できなくなってきた。 ……もう、明日にするか。 そう決めた俺は、隣の羽村を盗み見た。 相変わらず凛とした姿で、じいっと目の前の画面を見つめている。 久しぶりの、二人きり。 願ってもないシチュエーションに少し浮かれた気持ちになってきていたら、ふと、羽村が息を吐きながら呟いた。 「……あー……、もう、寝たい」 独り言、だろうか。 それでも俺は、「俺も」と同意した。 .
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