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そんな日々の中、羽村と二人で残業する偶然が訪れた。
時間はすでに0時を回っている。
なかなか片付かない仕事を前に、夜中になるのは覚悟していたが、予想外に長引いてしまった。
駄目だ、腹が減って集中できなくなってきた。
……もう、明日にするか。
そう決めた俺は、隣の羽村を盗み見た。
相変わらず凛とした姿で、じいっと目の前の画面を見つめている。
久しぶりの、二人きり。
願ってもないシチュエーションに少し浮かれた気持ちになってきていたら、ふと、羽村が息を吐きながら呟いた。
「……あー……、もう、寝たい」
独り言、だろうか。
それでも俺は、「俺も」と同意した。
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