【第18話】足りなかったものは

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  が、羽村の反応はない。 静かなオフィスにカタカタと響くのは、キーやマウスの操作音だけだ。 何故だろう、少しだけ、張りつめたような空気を感じるのは。 そう感じながらも、思い当たる節はない。 気を取り直して、いつものように俺は羽村に話しかけた。 「なー、羽村」 「……」 無視か。それとも聞こえてないのか。 おそらく、前者だと察知した俺は、めげずに声をかける。 「羽村ー、って」 「……何?」 低いトーンの返事に、一瞬戸惑う。 機嫌が悪いというよりは、突き放したようにも聞こえる音だった。 .
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