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が、羽村の反応はない。
静かなオフィスにカタカタと響くのは、キーやマウスの操作音だけだ。
何故だろう、少しだけ、張りつめたような空気を感じるのは。
そう感じながらも、思い当たる節はない。
気を取り直して、いつものように俺は羽村に話しかけた。
「なー、羽村」
「……」
無視か。それとも聞こえてないのか。
おそらく、前者だと察知した俺は、めげずに声をかける。
「羽村ー、って」
「……何?」
低いトーンの返事に、一瞬戸惑う。
機嫌が悪いというよりは、突き放したようにも聞こえる音だった。
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