【第18話】足りなかったものは

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  だが、怯んでもいられない。 俺はいつも通りを心がけながら、軽い口調で尋ねた。 「腹減らねーか?」 「別に」 即座に返ってきたのは、愛想を殺ぎ落とした返事。 ……会話続ける気、ナシってか? 一体何がそんなに羽村を不機嫌にさせているのかわからない。 忙しいからか? それとも他に理由があるのか? そんなに眉間にシワ寄せて、睨みつけるように画面見なきゃなんねー程に、難航してんのか? いつもとは違う羽村の態度に疑問を抱きながらも俺は話を振った。 「あれ、もーメシ食ったとか?」 「うん」 「何食ったんだよ」 「おにぎり。コンビニの」 「俺のは?」 「あるわけないでしょ」 ポンポンとリズム良く短い言葉をやりとりしていくうちに、少しずつ、羽村の声から堅さが抜けていく。 内心ホッとしながら、俺は大きく伸びをした。 .
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