第7話 忘却と放置

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 慧から差し出されたのは缶の冷たいカフェオレとミネラルウォーターだった。  どうしよ・・・カフェオレ飲みたいっ・・・でもやっぱり水飲んだ方いいかな?  魅羽は一瞬どっちを取るかで迷ったが、やはりカフェオレを取った。  頭ぼーっとしてるしカフェインのが目覚めるでしょ~?  「酔っててもそっちなんだ?」  くすっ・・・っと慧は優しく笑う。  「気分悪くなっても知らないよ?」  慧は車のキーをまわしてエンジンをかけると車を発進させた。  「え・・・コーヒーって酔った時駄目なの?」  「酔った具合にもよるかな・・・遠慮せず気分悪くなったら言って?」  そんなこと言われたら気分悪くなるかもって思っちゃうし・・・  魅羽は慎重に一口ずつゆっくり飲む事にした。  あー・・・でも冷たくて甘くて美味しい・・・  アルコールで火照ったノドと頭が冷たいカフェオレで冷やされていくのがわかる。  大野さんって優しいなあ・・・  このメーカーのカフェオレ、私好きな味だし。  私の好みを知っているのかそれとも大野さんの好みかな?  横目でちらりと見ると、慧は同じメーカーのブラックコーヒーを飲んでいた。  そういえば、大野さん・・・  話したいことってなんだろう?  亜里紗さんのことならこの間教えてくれたし?  それに私を送ったりなんかして大丈夫なのかな・・・  亜里紗さんに知られたら怒られるんじゃ・・・?  魅羽は昨日会社に亜里紗が来た時の事を思い出す。  亜里紗さんはぱっちりとした二重でグロスで潤ってるプックリとした色っぽい唇、細くて長いすらりと伸びた手足・・・見るからに綺麗で可愛くて  歩いている時も皆が振り返る華やかなオーラを漂わせていた。  あんな美女の彼女がいるのに  なんで・・・?  “俺は好きな人にしかキスしないから”  あれは・・・  私にしたキスは・・・  そういう意味なの?    
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