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3分後…
赤鬼は木の箱を大切そうに抱えてほら穴から出てきました。
赤鬼はそっと、箱のふたを開け、カッパにその中を見せました。
中に入っていたのは赤くて大きなお椀でした。
「これは、水をたくさん出すおわん。そのフチを手でなでれば水がたくさん湧く。
頭の皿が乾いた時に使えばええ。
ぎゃくに湧いた水を止めたい時もフチをなでればええ。そすれば水も止まる。これをおめえにける。」
赤鬼は中に入っていたおわんを取り出し、カッパの手に握らせました。
カッパはおどろきながら、
「ええのか?赤鬼。大切な物をおらにけても。(あげても。)」
赤鬼は微笑んで言いました。
「ええで、ええで。陸中に着くまでは道が長いし、途中で力尽きても困るだろ。」
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