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おじぞうさまは龍神さまからあずかった伝言をカッパに言いました。
「私が眠る川の辺までもう少し。」
その伝言を聞いたカッパはよろこびました。
ところがおじぞうさまはこの伝言はつづきがあると言いました。
「赤鬼と別れよ。」
カッパはショックをうけました。
仲よしの赤鬼と別れるなんで考えられません。
カッパはおじぞうさまにそのわけを言いました。
「おじぞうさま。なんで友だちの赤鬼と別れ行けないんたべ。」
おじぞうさまはこう言いました。
『赤鬼は山にカッパは川に。』
「これは龍神さまのおつげじゃ。
おぬしは龍神さまの目覚めを手伝い、川を守らなきゃいけない。」
カッパは泣きながら言いました。
「いやだ。赤鬼と別れたくないべ。こういうことじゃたらおら、赤鬼のところに帰るべ!」
カッパの話は聞いたおじぞうさまは困った顔で言いました。
「こまったカッパじゃ。いいか、おぬしのウソが見ぬいて赤鬼はここへさがしにまもなく来る。来たとき、この事をウソなく話すんだぞ。」
カッパは泣きながらうなずきました。
するとどこからなつかしい声が聞こえてきました。
「オイ、カッパ、起きろ、オイ…」
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