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「あたしは、これでもまだ二十代よ・・・。まだまだ若いと思っていたのに・・・。モスキート音が聞こえないなんて・・・」
自分で言葉を口にしていると、どんどん虚しくなる。そして、哀しくなる。全員が同じ気持ちだった。
さらに、追い打ちをかけるように。
「歳をとっていけば、余計なことは忘れてしまうのだ。やっぱり、覚えておく必要はないのだ。鐘の音の一群が飛びたち時とともに去っていくのが人生なのだ」
夏慈のどこまでのネガティブな言葉が、全員のトドメとなった。
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