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一日中、カーテンを閉め切った部屋の中で過ごす。 時折両親の怒声が響いた。 聞きたくなくて、頭から布団を被り、耳を塞ぐ。   オ前 ノ、セイジャ ナイ 声が、聞こえた。  ―…五月蝿い 頭の中に響く。   ワタシタチ ガ イル 甘く、囁く。  ―…喋るな 必死に抵抗する。   楽 ニ、ナロウ 「五月蝿いっ!!」 訳も分からず壁に向かって枕を投げつけた。 「ッハァ……っく…」 何故か涙が溢れる。 キッチンから心配する母の声。 だが、絶対に来てはくれない。 「なんでもない」 一言伝えると『そう…』と小さく安堵する様子が伺えた。
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