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眼を開けると、そこは白い空間だった。
一瞬混乱しかけたが隣に菫いたので、すぐにどうでもよくなった。
「菫、起きてくれ。」
数回揺すると「ん~」とか言いながらゆっくりと起き上がる・・・可愛い
「あれ・・・・剛君?私・・・確か部屋で寝た記憶があるんだけど・・・」
「俺もだ。もしかしたら何か厄介なことが起こるかもしれん・・・」
俺がそう言うと菫の眼が真面目な目付きになった。
「いつでも武器を出せるようにしとけよ。何が出てくるかわからんからな。」
「分かってる。剛君もしっかり準備しててね」
俺と菫は同時に周囲を警戒し始めた。
数秒後、突如上から声が聴こえた。
「そう警戒せずともよい。お主らに危害は加えん」
2人同時に声のする方を向くと、なんか白い着物みたいなものを着た爺さんが宙に立っていた。
「菫、援護頼む!!」
「任せて!」
「え?」
爺さんの姿を認識すると同時に俺は飛び上がって菫に援護を頼んだ。
宙に立っているんだ・・・まともじゃねえ。
俺は爺さんに本気の跳び蹴りをくらわした。
ベキッという骨が折れた音と、爺さんの「フギャ!」という声がしたと同時に俺の後ろから菫が武器を振りかぶって飛び上がってきた。
菫が持っている武器は『金砕棒』
長さ 350㎝
重さ 5.0㎏
鎌倉時代から室町時代にかけて使われた日本の打撃武器である。
硬い木材を六角形や八角形に加工した大型の棍棒で、『星』と呼ばれる棘や鋲が打ち込まれている。
いわゆる昔話に出てくる『鬼の金棒』に近い。
菫はその巨大な武器を軽々と振りかぶり・・・なんとか体勢を立て直した爺さんの脳天に叩き込んだ。
頭部が破裂し、脳やらなんやらが飛び散って中々グロイ光景になった。
「どうする?追撃する?」
「俺の全力の跳び蹴りくらって体勢立て直せたんだ・・・追撃するぞ!」
「了解!!」
俺は殺しに特化した武術である、ムエタイの構えをとり、菫は『金砕棒』をもう一本取り出した。
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